だいぶ奥の方に来たがまだ見つからない。
「おい、まだ携帯にも出ないのか?」
「…ああ。…くそ…梨華、どこにいんだよ…!」
点呼時間は過ぎていた。
しかし俺たちはそれどころじゃなかった。
俺たちの家族も同然の大切な幼馴染。
絶対見つけるまで帰れない。
少し吹雪いてきて前が見えにくくなった。
「おい、天。足元に気をつけ…うわ!!!!!!」
「!?!?駿!?!?おい!?大丈夫か!?!?」
「…ああ。大丈夫だ。ここから崖みたいだ。危なかった…。」
駿は胸をなでおろす。
俺もホッとした時、信じられないものを見つけてしまった。
「…おい…これ…」
思わず声が震える。
崖の手前にあったのは
…梨華の手袋だった。
「う、嘘だろ!?…梨華が…!?」
片方だけの手袋を拾いあげる。
梨華のものかをしっかりと確認したいのに吹雪で見えない。
…いや、吹雪で見えないんじゃなくて涙で見えなかった。
俺たちは泣いた。
泣き叫んだ。
「…俺っ、梨華は天が好きなんだと思ってっ、今まで言えなかったけどっ、ずっと、ずっと…!俺は梨華が好きだったんだ!!!!…なんでっ言わなかっただろう…!!!梨華…!梨華…!!!!」
…いや、俺は梨華も駿が好きだったと思う。
だけどその言葉をかける余裕は俺にはなかった。
