さよならリミットブルー


碧人くんがこんなに取り乱す姿を見るのは初めてかもしれない。

桃花の言葉に怒りはしても否定はしない。

それはつまり、桃花の言葉は全て本当のこと。


「碧人くん!いつもわたしのこと考えてるってほんと?」


どうしても真実が知りたくて、言い争う2人に無理矢理質問を投げた。


「なっ………!」


わたしの声を聞いてこちらを向けば、火が吹き出たように碧人くんはさらに顔を赤く染めていた。

口元を隠しながらモゴモゴと何か言いたげにしているが、全く予測がつかない。

不思議そうに首を傾げていると、照れながらもしっかりとわたしを見据えて言うんだ。


「悪いかよっ……バカ………」


ーードキン

碧人くんの熱が、わたしにも移っていく。


いつもクールで無気力な碧人くんがわたしのことを考えてくれていたなんて知らなくて、


「嬉しい………」


思わずそう口にしていた。