そうだよ。どうして、忘れていたんだろう。

碧人くんが友達になってほしいと言ってくれあの日、どれほど嬉しかったか。


人の意見に流されてばかりで、自分の今の気持としっかり向き合えていなかった。

わたしが碧人くんに対する気持ちは初めて会ったときから変わらない。

友達として、碧人くんを見ているから。


「うん、友達だよ!」


恋愛の好きと、友情の好きの違いがまだよくわからないけど、今はそれでもいい。


「1位おめでとう!よかったね簡単な借り物で」

「連れて来るのは面倒だと思ったけどな」

「もー!そんなこと言わないでよ」


冗談混じりで笑い飛ばすこの関係が好き。

普段無表情なことが多い碧人くんが笑ってくれるこの瞬間が好き。

友達になれてよかったって思えるの。


そしてなにより、碧人くんが友達としてわたしを1番に選んでくれたのが本当に嬉しかった。