「ん、これか」

「ありがとうございます」


うぅ……なんで走った後でも碧人くんはクールなのさ。


バスケの試合を見たときから運動神経がいいのはわかっていたけど、まさかここまでとは。

体力の差が辛い……。


「ふふっ。はい、確かに確認しました」


碧人くんから借り物の紙を受け取った女子生徒が、なぜかくすりと笑っていた。


「あ、あの……借り物ってなんだったんですか?」

「今回のサプライズ借り物『友達』です」


ヒラヒラと揺れる紙には、大きな文字で『友達』と書かれていた。


「とも……だち……?」


そっか。わたしは碧人くんの友達なんだ……。


「俺たちは友達、だろ……?」