「ぜっ、全部忘れろ!バカァ!!」
「なっ………!?」
破いた作戦ノートの傍を、碧人くんに向かって思いっきり投げつけた。
最悪だ。恥ずかしすぎて消えてしまいたい。
碧人くんに、全部知られちゃった………。
焼け焦げてしまいそうな顔を手で覆い隠し、逃げるようにその場にしゃがみ込んだ。
「忘れろって……俺はもう十分いろんなこと忘れてるんだけど」
「それなら今のも忘れてよぉ………」
もう一生顔を上げられない。
さっきまで碧人くんの心配をしていたのに、今度は自分のことばかり考えている。
どうしてわたしは、いつもカッコつかないんだろう。
恥ずかしさで込み上げてくる涙を拭く余裕すらなかった。
もう全部がいっぱいいっぱいで、体が動かない。



