怖くてなって、返す言葉が見つからない。

北上さんが全て話してしまったのなら、わたしと碧人くんが友達だったことも知っているかもしれない。

それでも碧人くん自身に記憶はないのだから、今は上辺上の友達。実質は他人だ。


碧人くんの瞳に映るわたしは、今日初めて会ったばかりの知らない友達。

こんな複雑な関係になってしまった今、碧人くんとどう向き合っていいのかわからなかった。


「お前に言いたいことがあって来たんだ」


次第に詰められていく距離に動揺が隠せない。

遠くにいたはずの碧人くんが少しずつわたしに近づいて、手を伸ばせば触れられる場所にいる。

久しぶりにこんなに近くで碧人くんを見た。


「二宮芽衣子」

「は、はい……!」


真剣な眼差し。逸らせないから少し怖い。

まだ、わたしはキミを見てドキドキする。

好きだよ、こんなにも………。