今日で最後。碧人くんとの思い出を確かめたら、もう忘れると決めた。

思い出にして終わらせようって。碧人くんのために会わないことにする。


学校ですれ違っても、他の生徒と変わらずただのクラスメイトを演じよう。

最初は辛いかもしれないけれど、慣れてしまえば怖くなんかない。

いつかこの寂しさや苦しさがいい思い出になることを信じて、今は碧人くんの幸せを1番に願いたい。

無力なわたしには、こんなことしかできないから。



碧人くんの家を離れた後は、小学校から高校まで足を向かわせた。

全部、全部、かけがえのない思い出だ。


2人で歩いた道。

写真を印刷したコンビニ。

瑠璃さんと出会った場所。

そして、長い階段の先にある展望台。


わたしと碧人くんの約束の場所。