会いたい。

会いたいよ……。


碧人くんの隣には瑠璃さんがいる。わたしの居場所はもうどこにもない。


けど、好きなんだもん。

碧人くんのことが大好きなんだよ……。


ここ数日、碧人くんを忘れようと必死だった。

何も考えないように耳を塞いで、心を消して。綺麗な思い出として鍵を掛けようと、わたしなりに頑張ったつもりだ。


「だめ。思い出になんか……できっこないよ……」


持っていたノートの上に、ポタポタと涙が零れ落ちていた。

どんなに嫌だと泣き叫んでも、過去の日々が戻ってくるわけではない。


わたしが好きになった碧人くんは、世界中のどこを探したって見つからない。

涙と一緒に跡形もなく消えてしまった。