碧人くんが生きるこれからの未来にわたしは居ない。


「こんなに辛いなら、出会いたくなかったな……」


碧人くんに初めて会った日。


占いサイトを見ていなかったら。

靴擦れをしていなかったら。

ピアスを拾っていなかったら。


……簡単に未来は変わっていたのかもしれない。


孤独と戦う碧人くんを見捨てることができなくて。それだけの理由で、記憶を取り戻す手伝いをしているんだと思った。

だけど、そんなのはただの綺麗事。


わたしは碧人くんの隣に居たかっただけなの。


それすら許してもらえないなんて、神様は意地悪だ。最低だ。大嫌いだ。

それとも、こんな不純な動機だったから、わたしはひとりになったの?


「酷いや……」