「それでも、俺は……」


ぎゅっと手のひらを握りしめた。

それでも俺は彼女の側に行かないといけない。

本当に二宮芽衣子が好きなら、会えばきっと答えが見えてくる。


「俺の、好きな人」


雲ひとつない青空を、ベッドの上から眺めた。

この空の下のどこかに二宮芽衣子がいるんだ。

会いたいのに会いたくない。

よくわからない、俺の好きな人。