「あのさ……俺が目を覚ました時、瑠璃や母さんたちの他にもう1人……女の子が居なかったか?」
「え?」
「俺が最近見てる夢に知らない女の子が出てくるんだけど、その子に似てる気がするんだ。もしかして瑠璃の友達?」
記憶の中で蘇るあの子はすごく寂しそう。
夢と同じで顔や表情はよく見えないけど、あまり良い雰囲気は感じなかった。
記憶が曖昧なのはこういうときに不便だ。
思い出したいことが思い出せない。こういう感じ……今までもよくあったような気がする。
「気になるの?その女の子のこと」
「うん。なんていうか……会いたいんだ」
夢に出てくる子と同じなら、会って話をしてみたい。
涙のワケを知りたい。
あの子の側に行きたい。
「寝ていた間のことはよくわからないけど………なんだか、長い夢をみていたような気がする」
ずって眠っていたんだ。夢くらい見て当然だろう。
じゃあ、それはどんな夢?
今と同じように毎日同じ夢の繰り返し?
それとも、いろんな夢を見ていたのだろうか。



