「あの……二宮さん、でしたよね?」


そんな沈黙を破ったのは意外にも碧人くんのお母さんの声だった。


「はい、そうですけど……」


碧人くんのお母さんは碧人くんにすごく似ている。

碧人くんがお母さんに似たんだろうけど、2人共美形で羨ましい。


「病院まで来てもらっちゃってごめんなさいね。大変だったでしょう?」

「そっ、そんなことないです!わたしは何もできなかったので………」


苦しんでる碧人くんをわたしは助けることができなかった。

救急車に一緒に乗って、あとは北上さんに電話を掛けただけ。


わたしは無力だったの。

何もできなかった自分が情けないや。


「付き添ってくれただけでも十分感謝してるわ。それに二宮さんには1度会ってみたかったの」

「わたしに……?」


なんだろう。