「痛っ………」


流れた記憶の後に来る突然の激しい頭痛。

頭、割れそうっ…………。


「碧人……?」


はっ…………あっ………。

心配そうに覗き込む北上さんの姿が、また見覚えのない制服を着た少女と重なって見える。


知らないのに。

なんだよこれ。


なんなんだよっ…………!


「……………はぁ……っ…」


ようやく痛みが治まったかと思えば、額にじわりと汗が滲み出ていた。


「大丈夫?」


今度は北上さんを見ても特に誰かと重なって見えることもない。


「あぁ、なんでもない……」


今のは昔の俺の記憶………?


いや、違う。

違うから。


今まで思い出したくても思い出せなかった記憶が、こんな簡単に蘇ってくるはずがない。