遠い貴方を。



静かなリビングが嫌でなんとなくTVをつけてみた。



(パチッ)



やっていたのは、ニュース。



“私、今人気急上昇中のイケメンアイドルがきになっているんです!”



いつもは、イケメンアイドルには興味がない私。



でも、今だけは見たいって思った。



「えっ。」




TVに写っていたのは―――





今日、私がぶつかったあの先輩だった。





“はい!よろしくお願いします!”




状況が理解できなかった。





“松居聡です!”




あの人、やっぱり芸能人だったんだ。



TVから目が離せなくなった。




(ピピピピピ)



携帯がなってる。


「誰からだろう。」



滅多に電話が来ることなんてない。



しかも、知らない番号。




悩んだ挙句、まだ鳴っている電話をとった。



「もしもし…」



{あ、俺。覚えてるかな?}


誰だろう。


この声、聞いたことあるような気がする。



TVではまだ松居聡さんが写っていた。



“俺、今度ドラマに出演させていただくんです!”



ん?



この声―――




{俺のことわかった?}



もしかして。


「松居聡さん、ですか?、、、」



{よくわかったね!今、俺ニュース出てるんだけど見てくれてる?}



まさかだとは思った。