僕は、自分の作業を止めて、目の前にいる伊東を見る。

相変わらず机に突っ伏しているから表情は見えない。


「・・・・ました?」

「ん?」


モゴモゴとしか聞こえなくて、思わず聞き返すと、伊東は顔を上げた。


「先生、大学生のとき彼女いました?」