もしも勇気が出たら君を抱きしめたい


ーーーーーーーーーーー


「一月がいく、二月がにげる、三月が去るって誰が言ったのかんですかね。」


ほんとに、あっと言う間にこの日が来ちゃったなぁと、岡部がぼやく。


今日は卒業式。

学校で伊東に会えるのは、今日で本当に最後だ。


吹奏楽部は、毎年卒業式のあとにお別れパーティーをする。

簡単な立食パーティーのようなものを後輩たちで準備して、卒業式を終えた先輩たちをもてなす。

今はその準備中で、僕と岡部は背が高い組として、音楽室のかざりつけをしていた。


「もうもも先輩と会えないなんて、辛すぎる」


ずっと一緒にいた岡部は、別れのさみしさもほかの後輩よりおおきいらしく、すでに涙ぐんでいる。


「おい岡部、伊東だけか?お前は」

「九条先輩!!!!}


九条は、卒業式でもらったらしい花をもって、ドアにもたれかかっていた。

「そんなことないです!九条先輩もそれなりに!」

「それなりってなんやねん!」


久しぶりの空気が音楽室に流れる。


「九条、岡部いじめんとって」