ありがと

 『---くんのバカ!』
 違う、そんなこと言ったら…
 『………』
 待って、行かないでよ…!


 「っ!また…こんな夢…。過去にすがりついてちゃ、駄目なんだよなー」
 「律!」
 「ママ、うっさい。起きてるし、寝てないし。見ればわかるって」
 律こと、綾野 律。高校一年生の冬産まれ。性格はこの通りで、過去引きずって八つ当たりする嫌なヤツです。
 「ママがうるさいのは、いつものことじゃない♪…そんなことより、今日定期テストじゃないの?もう8時過ぎてるけど。」
 「ママ、それ早く言ってよ!遅れる、ヤバイ!」
 今日は、11月24日。期末テスト初日。
え、どうしよう、本当にヤバイ。
 今までで一番早いぐらい着替えて、ご飯食べて…え?ちゃんと食べるのかって?当たり前じゃない。食べないと持たないから仕方ない。って、こんな無駄話している暇などなく…急がないと、ほんっとーにだめだ。
私の命が危ない。
 「いってきまーすっ」