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現在11時10分
家の玄関前
「……なんで」
「センパイおはよ」
………一番いて欲しくないデカいヤツが何故か居た……
「……瀬上…あなたストー…」
「は?ちげーし」
「……よかった」
いってきますとお母さんと龍希に告げた後、玄関の扉を開けて、流石の私もたじろいだ
塀にもたれてスマホを弄っているその男に向けられる視線の量にもたじろいだ
……通る女子が全員見てる…
そして私に気づいた彼は、呑気に朝の挨拶を吐いたのだった
「…なんで私の家知って…」
「彰先輩に聞いたー」
むっ!こいつ昨日まで長谷部先輩だったはず…
良く言えばフレンドリーなのかもしれないけど…
「…でさ」
「…なに」
「はやく出てきてくんね?
待ち合わせ場所行くんでしょ?」
「………」
ガシャンッ!
「……何怒ってんの?」
乱暴にドアを閉めた私をキョトンとした顔で見る瀬上
今日もうっとおしいくらい、色素の薄いヤツの髪が光ってる
「べつに!」
「…ふ〜ん」