「………カクカクシカジカで…その…~~~」
躊躇いながらも、私の口は止まらない
「………」
龍希は最初暇そうにしてたけど、話が複雑になるにつれて“聞かなきゃよかった”というオーラを滲み出していた
「…………だーーー!もうめんどくせぇよ」
「…知ってるよ」
だから行きたくないのよっ
時計の針は10時
待ち合わせは11時半
あぁ…もうすぐ
「……ありがとね龍希
なんか話せただけでも良かった。1.5%くらい元気でた」
「…意味ねぇじゃん」
ははっと軽く姉弟で笑いあった後
「お母さん、そろそろ起こそ」
一階に続く階段に足をつける
「……まぁ、俺もそんな複雑な事情知らねーけど…」
「え?」
龍希の声でその足を戻す
「いつもの姉ちゃんで過ごせばいいじゃん
不器用なんだから、下手に演技しようとでもすればモロバレなんじゃね?」
……おお
龍希にしてはまともな意見
「…なんだよ」
「…ふふっ…いいや?
参考になったよ。ありがとね」
「遅くなって母さん怒らすなよ」
「はいはい」
そんなこんなで、その日の限られた私の平和な時間は終了した