「……一応断るけど
……考えとく」
そんな彰の頼みに負けて折れてしまう私も私だ…
「よっしゃぁ!紗っサンキューな!」
「…一度は今断ったからね?」
「紗なら来てくれるって分かってるし」
普通に聞いたら信頼されてて嬉しい言葉も
眩しい貴方の笑顔も
今はただ私の心を突き刺す残酷な刃物
……断ったらダメな雰囲気作るなよ、バカ彰
「じゃっ!またな紗」
「…うん」
右手を軽く上げて、廊下を走っていく彰の後ろ姿をボーッと見つめる
「……大変なことになったねぇ」
「彰くんってほんと鈍感だよねぇ〜
紗ちゃんが可哀想だよぉ」
どうやら一部始終見ていたらしい2人が教室の後ろの扉から出てくる
「…由良…未來
何ちゃっかり盗み見&盗み聞きしてるのよ」
おそらく暗かったであろう表情を、すぐに引き締めて2人に呆れた視線を送る
「いいのぉ?Wデートのこと。
考えとくーなんて言っちゃって」
「萌亜先輩と彰くんが相手じゃあ、紗は辛いだけじゃない」
……2人の言うことは最もだけど
「………うん
そろそろね、諦めるべきだと思うし」
これは本音
いつまでも引きずって、彰を見る度切なくなっていられない
前に未來が言ってたみたいに、次の恋を探すっていうのもアリだけど
私はそんなに沢山の色恋沙汰はごめんだし
今は彰をはやく諦めて、目の前のこと…部活とか勉強だけに集中したい

