あそこ、あそこしかない。
中央公園の遊具…あれ、何ていうの?
土管みたいな、トンネルみたいな。
外からの視線遮って美音のことギュウギュウにしてもお咎め(美音本人からの苦しい発言はひとまず置いといて)無さそうな、最も近くかつ無駄なく効率良く確保できる場所!
「か、なるく…?!」
「ちょっと、黙ってて美音」
冬休み中のガキんちょ共が居なくて助かった。
先客なんてあった日にゃ、焼け切れそうなこの感情のぶつけ先が美音の唇とかになって。
……俺、貪り食う路チュー、ってのを全身で表現してドン引きされてたかもしんない。
手を引きもつれ込んだ2人だけの場所。
ちっこい美音にはちょうど良い空間も、デカい俺には窮屈以外の何物でもない。
とは言え開いた俺の膝の間にちょこんと収まる美音の温もりがいつもより何倍も近くて。
熱に浮かされたようにボンヤリと、俺は美音の細い肩へ顎を乗せた。
「…お前、ズルい」
「…え?」
「もー、何なんだよマジで」
大きく息を吐く。何度も。
自分の内なる昂ぶりを何とか鎮めたくて。
…あー、でも。
“外側”も昂ぶってくんじゃねえの、このままじゃ。
吐息が美音の耳元を掠めるたびに小さくピクリと身じろぐ反応は、熱く蠢く何かを引きずり出していく。
いやマジで。逆にドン引きされそう。
駄目だから、ムスコ。分かってるよな、そこは。
「……ごめんね?何か…私──」
バカ、と遮って最後まで言わせない。
ごめんね、って謝られることじゃねーのに。
美音の声が左耳に近くて右脳を直接刺激する。
「…あんな──俺が、勝手したのに。
何なんだよもう…」
貰った感動は何倍返しされてんだか分からない。
感情というか激情に任せて美音を抱き潰しそうだ。
「…美音は俺をどうしたいんだ?
俺が美音をどうにかしてえのに。
ほんっと調子狂う…」
「え、体調悪いの?」
「…黙っとけ、どアホ」
ム、と口を噤んだ様子を左肩に感じた。
体調なんざ悪かねえよ、むしろ絶好調だよ。
美音の言葉は時々、俺の思惑のはるか斜め上を超えていく。
飽きねえなー、ずっとこうしてたい。
いや、ずっとこうしてるのは精神衛生上よろしくない。
何 考えてんだ俺。
「…今日は、ありがとう。奏成くん」
好きな相手からの耳元ありがとう攻撃はヤバいな。
何でも許しちゃうよ、って勝手にお墨付き貰った気になってしまう。
しかもちょっと、笑いを含んでいるというのか。
すっげえ楽しそうで嬉しそうだし、美音。
俺の名前を呼ぶのも滑らかで噛まなくなってるし。
「…そりゃこっちのセリフ。
出来上がりに乞うご期待」
「…でも。完璧じゃなかった。
ちょっと間違えたとこあった…」
「分かんねえよ、そんなの。
それに当分、俺 最後の曲ばっかエンドレスリピートするだろうし」
瞬間、美音の身体から熱が立ち上る。
顔をずらして美音を覗き込めば、目に見える白い肌はみるみる朱に染まっていく。
「…“運河のほとり”?」
「…す、凄いね…フランス語 解るんだ?」
「何気に話 すり替えようとすんな。
…俺の曲?俺のこと考えながら、作った?」
美音のおでこに俺のをすり寄せた。
…すっげ、熱い。
こんな超密着で熱くなんない方がどうかしてるか。
俺だって。鼓動が接点でドクドク鳴ってるし。
頷く美音の小さな動きにお互いの距離は限りなくゼロに近くなる。
「…ごめんね、勝手に。その…も、妄想しちゃって──」
「…妄想って。やらしーな、美音」
「やっ?!え、な、ち、違っ──」
違うと異を唱えようとする美音の唇を俺はピタリと塞いだ。
ほんの少し開いた上下の隙間から奥へ潜り込もう…とするのは止めた。
目 見開いて固まってんだもんな、美音。
代わりに角度を変え何度も啄む。
甘い匂いと柔らかさに嗅覚と触覚が麻痺していきそ。
…濡れた唇も。視覚に刺激的。
頑張れ、俺の理性。
「…ご馳走様でした。
満足満喫。今日はもう何も要らね」
「…か、奏成くんの、が…やらしいよっ…!」
「今さらだな。やらしくねー男なんざいねえぞ」
真冬の陽はそろそろと夕闇の訪れを告げている。
残念ながら美音をバイトへ送って行く時間。
夢見心地な瞬間はいつだって超現実と背中合わせで。
その切り替えについていけない俺は何となくフワフワしている。
最後に美音をもう一度抱きしめ手を取って外へ連れ出すと、冷えた空気を思いきり吸い込んだ。
中央公園の遊具…あれ、何ていうの?
土管みたいな、トンネルみたいな。
外からの視線遮って美音のことギュウギュウにしてもお咎め(美音本人からの苦しい発言はひとまず置いといて)無さそうな、最も近くかつ無駄なく効率良く確保できる場所!
「か、なるく…?!」
「ちょっと、黙ってて美音」
冬休み中のガキんちょ共が居なくて助かった。
先客なんてあった日にゃ、焼け切れそうなこの感情のぶつけ先が美音の唇とかになって。
……俺、貪り食う路チュー、ってのを全身で表現してドン引きされてたかもしんない。
手を引きもつれ込んだ2人だけの場所。
ちっこい美音にはちょうど良い空間も、デカい俺には窮屈以外の何物でもない。
とは言え開いた俺の膝の間にちょこんと収まる美音の温もりがいつもより何倍も近くて。
熱に浮かされたようにボンヤリと、俺は美音の細い肩へ顎を乗せた。
「…お前、ズルい」
「…え?」
「もー、何なんだよマジで」
大きく息を吐く。何度も。
自分の内なる昂ぶりを何とか鎮めたくて。
…あー、でも。
“外側”も昂ぶってくんじゃねえの、このままじゃ。
吐息が美音の耳元を掠めるたびに小さくピクリと身じろぐ反応は、熱く蠢く何かを引きずり出していく。
いやマジで。逆にドン引きされそう。
駄目だから、ムスコ。分かってるよな、そこは。
「……ごめんね?何か…私──」
バカ、と遮って最後まで言わせない。
ごめんね、って謝られることじゃねーのに。
美音の声が左耳に近くて右脳を直接刺激する。
「…あんな──俺が、勝手したのに。
何なんだよもう…」
貰った感動は何倍返しされてんだか分からない。
感情というか激情に任せて美音を抱き潰しそうだ。
「…美音は俺をどうしたいんだ?
俺が美音をどうにかしてえのに。
ほんっと調子狂う…」
「え、体調悪いの?」
「…黙っとけ、どアホ」
ム、と口を噤んだ様子を左肩に感じた。
体調なんざ悪かねえよ、むしろ絶好調だよ。
美音の言葉は時々、俺の思惑のはるか斜め上を超えていく。
飽きねえなー、ずっとこうしてたい。
いや、ずっとこうしてるのは精神衛生上よろしくない。
何 考えてんだ俺。
「…今日は、ありがとう。奏成くん」
好きな相手からの耳元ありがとう攻撃はヤバいな。
何でも許しちゃうよ、って勝手にお墨付き貰った気になってしまう。
しかもちょっと、笑いを含んでいるというのか。
すっげえ楽しそうで嬉しそうだし、美音。
俺の名前を呼ぶのも滑らかで噛まなくなってるし。
「…そりゃこっちのセリフ。
出来上がりに乞うご期待」
「…でも。完璧じゃなかった。
ちょっと間違えたとこあった…」
「分かんねえよ、そんなの。
それに当分、俺 最後の曲ばっかエンドレスリピートするだろうし」
瞬間、美音の身体から熱が立ち上る。
顔をずらして美音を覗き込めば、目に見える白い肌はみるみる朱に染まっていく。
「…“運河のほとり”?」
「…す、凄いね…フランス語 解るんだ?」
「何気に話 すり替えようとすんな。
…俺の曲?俺のこと考えながら、作った?」
美音のおでこに俺のをすり寄せた。
…すっげ、熱い。
こんな超密着で熱くなんない方がどうかしてるか。
俺だって。鼓動が接点でドクドク鳴ってるし。
頷く美音の小さな動きにお互いの距離は限りなくゼロに近くなる。
「…ごめんね、勝手に。その…も、妄想しちゃって──」
「…妄想って。やらしーな、美音」
「やっ?!え、な、ち、違っ──」
違うと異を唱えようとする美音の唇を俺はピタリと塞いだ。
ほんの少し開いた上下の隙間から奥へ潜り込もう…とするのは止めた。
目 見開いて固まってんだもんな、美音。
代わりに角度を変え何度も啄む。
甘い匂いと柔らかさに嗅覚と触覚が麻痺していきそ。
…濡れた唇も。視覚に刺激的。
頑張れ、俺の理性。
「…ご馳走様でした。
満足満喫。今日はもう何も要らね」
「…か、奏成くんの、が…やらしいよっ…!」
「今さらだな。やらしくねー男なんざいねえぞ」
真冬の陽はそろそろと夕闇の訪れを告げている。
残念ながら美音をバイトへ送って行く時間。
夢見心地な瞬間はいつだって超現実と背中合わせで。
その切り替えについていけない俺は何となくフワフワしている。
最後に美音をもう一度抱きしめ手を取って外へ連れ出すと、冷えた空気を思いきり吸い込んだ。
