好きっていうまでは




「彩華、行かねーの?」

「陽輝知ってるでしょ?私が泳ぎはできないって。」

「知ってるけど、行かねーと来た意味ねーだろ?」

そうだよね。

あ。まずは日焼け止め塗らないと。

私は、肌という肌に日焼け止めを塗る。

スプレーの日焼け止めで髪の毛にも。

でも、背中が…と、届かない。


「陽輝ー、日焼け止め背中に塗って?」

「ん。いいよ」

陽輝は、背中に日焼け止めを塗ってくれた。

「なんとも思わないの?」


陽輝は急にそう聞いてきた。

「え?なにが?」

「なんでもない。ん。塗り終わった。行こ」

「あ。うん。」

私は陽輝についていき海に入る。


ほんっと、何年ぶりかな。

家族で行って以来、1度も来てなかったと思う。