好きっていうまでは



「よっ。」

「あ、神木くん」

「一緒に帰らない?」

「うん」


一緒に帰るのが久しぶりというか…

少し、緊張する。

あ、そういえば…

「神木くん、今日私のこと彩華って呼び捨てで呼んだよね?」

「あ。気づいてたの?」

「当たり前です。私、耳いいので。」


神木くんはきまりが悪そうに、頭をかく。

「別に…いいですよ。彩華でも。」

「え?ほんとに?!」

「うん」

「まじか!やったぁ!彩華ー、彩華」

「無駄に呼ぶのはやめて」

「はい。」


神木くんは、それくらいの事で喜ぶのかと、

少し不思議に思った。