好きっていうまでは

さっき私を抜かした人を、今度は私が抜かす。

1人、2人…

「はいっ!!」

私は1位になって神木くんにパス繋げることができた。

もちろん、神木くんは圧倒的な速さで1位を勝ち取った。

「やったぁ!」

私は素直に同じチームの人と喜びあった。

「神木くん!」

「やった!」

神木くんが手のひらを向けてくる。

私はその手のひらにめがけて、ハイタッチした。


『今年の優勝は…青組!』

青組みんな喜んだ。



体育祭が終わって、生徒のほとぼりが冷めた頃、

私は帰ろうと、下駄箱で靴に履き替えてた。