「今人差し指使ったー!」

「使ってねーって!彩華の見間違いだろ?」

笑いながらいうところがもう、嘘。

なんとなくいつもそうだから。


てか、いつもって、そんなに見てないよね?私。


「お客様?お待たせしました」

二人で指相撲に夢中になって、気づいたら順番が回ってきた。

「あははは…」


私たちはニコリと笑って席に着く。

1番前の席だ。


とにかく、見れるなら良かった。



『さぁ!お待たせしました!

こちらはイルカのピーちゃん!』

お姉さんのアナウンスに続いて、イルカがジャンプをした。

会場は、どよめいて拍手の音がする。