「歌おうっ」 ハイと、マイクを手渡される。 が、私はこの曲を全く知らない。 「私、知らないんだけど」 「じゃあ、割り込みで何か入れて」 「……」 仕方ない。私は好きな曲を入れようとデンモクで探し始めた。と、同時に聞こえる歌声。 ケーの歌声。 その透き通った綺麗な声に、手が止まる。 思わず顔を上げて、彼の顔を見つめた。 ――――――――時が止まったかと思ったよ。