「怖い?どうして?」
「だって…」
そう言いながら、口ごもる私にケーは言った。
「僕は楽しみだよ。だって、ひまりの歌を皆に披露できる。
きっと、皆ひまりの声に夢中になる」
「……」
いつだってそうだ。
ケーはいつだって、私が喜ぶ言葉しかくれない。
そして、それにどれだけ私が勇気づけられているか。
「ひまり、どっか行く?」
「え?」
「カラオケとか行っちゃう?」
「は!?」
「いいじゃん!行こう!」
「ちょっと!」
まあ……、このケーの行動力だけは理解不明だ。
そして、私はカラオケまで引っ張られることになってしまった。
正直、ケーの歌声には興味がある。
受付を済まし、部屋に入るとケーはデンモクで操作していた。
何曲か適当に入れているようだ。
私はただ隣でそれを見てるだけ。
ケーは満足したのか、デンモクを置いた。
流れた曲は流行りのJ-POPだ。



