『ハイ、行けません』


きっぱりとそう言う彼は、お願いしますとだけ告げて早々に通話を終わらせた。
……前なら絶対行ってた筈なのに。


仕方ない。
何も食べてないってのは心配だ。


私がケーの家に行った日から、かれこれ三日が過ぎていた。
二人が連絡して来る事はなかったし、私も連絡する理由がなかったので、今朝のこの唐突なメールには驚いていた。


それでも、承諾したのは私だからね。
ケーの家に行くしかない。


……って、あれ?私、タクシーで帰ったから家わからなくない?
行きも新條さんに送って貰ったし。



すぐに新條さんに電話をかけて、その旨を伝えると住所を教えてもらった。


これじゃ、今日は歌えないな。
私はギターを置きっぱなしでバイトへと向かった。