繋いでくれた歌【完結】


「ケー本人をここに連れて来たかったんですが…、生憎、彼は今熱を出してまして」

「はっ?」


ね…つ?



「はい、一昨日からですね」


……彼が来ると言ったのに来なかった日だ。



「どうやら、雪の日にずっとここにいたのが原因だそうで」

「え?」

「毎日彼はここに来ていて、誰かを待っていました。
私は風邪を引くから帰ろうと何度も言ったんですが、ある人に会うまでは絶対に帰らないとガンとしてきかなくて。
その結果がコレです」

「……」


一週間ほど、確かに駅前に行かなかった。
それは雪の所為だった。


まさか、その日も彼はここに来ていた?
……私に会う為に?