繋いでくれた歌【完結】

「あの」


ドキっとしながら振り向く。
だけど、そこに立ってたのはケーじゃなかった。



見た事ない、男の人。
スーツを着ていて、ケーより余程イケメンのその人。


私は眉間に皺を寄せると、「何ですか」と口にする。


「突然すみません。
あの、貴方がひまりさんでしょうか」


なんだ、こいつは。
警戒心剥き出しで、そいつをじろっと睨む。


「そうですけど」


だけど、そう返した途端、彼の顔があからさまに緩んだ。


「よかった!実は私はケーの知り合いのモノでして…」

「……!」



ぴくりと眉が動く。
ケーの知り合いだって?


その本人はどうしてるんだ。
何、そんな偉いのか。あの男は。


ぶすっとしたまま、私はその男を見る。
だけど、次に言われた言葉に耳を疑った。