「こんにちは。今日はお邪魔致します」
「あ、どうも」
爽やかな笑顔を向ける新條さん。
「……真史に無理矢理着せられた」
ぶすっとしながらそう言うケー。
適当な恰好で行こうとしてたから、きっと新條さんがガミガミ言ったんだろうな。
容易にその光景が想像つく。
「中へどうぞ」
リビングへと二人を連れて行った。
「初めまして。私は新條真史と申します」
丁寧に挨拶をする新條さんは流石だ。
両親へと名刺を差し出す。
「こちらは作曲者のケーです。早速本題に移らせていただきたいのですが、今回、ケーが彼女の歌声に惚れ込んでしまいまして。
私共も彼女の歌声には人を惹き付ける魅力があると思っております」
そこまで黙って聞いてたけど、色々私は新條さんに突っ込みたい。
どこにでもいるとか言ってたくせに。
一通りデビューについての説明を聞いていた両親。
最初に口を開いたのはお父さんだった。



