その翌日から、私は本当にデビューに向けて動くことになった。
お世話になったファミレスも辞めなくてはならない程に。
それでも、デビューが決まったとだけ告げると職場の人達はとっても喜んでくれた。
人付き合いが苦手で、深く関わろうとなんかしてなかったけど。
私は恵まれてたんだって事に改めて気付いた。
そして、今日は新條さんとケーが私の家に来る日だ。
両親にデビューについての話と、承諾をしてもらう為。
リビングに両親と一緒にいると、約束の時間通りに家のインターホンが鳴る。
ドキンと心臓が跳ねた。
私は立ち上がると、お母さんより先に玄関に向かった。
そこに立ってたのは新條さんとケー。
新條さんは相変わらずのスーツだったけど、ケーまでもがスーツを着ていてちょっとばかし驚いた。
いつも適当な洋服で、オシャレとかに全く興味がないケー。
今日もいつもみたいな恰好で来るんだと思ってた。



