カラオケから出ると、すぐにケーが私の手を繋ぐ。
「ひまり」
「……」
にっこりと微笑みながら、私の名前を呼ぶケー。
そんな笑顔で見られると照れるんだけど。
顔が熱くなるのを感じた。
「僕は誰かとお付き合いしたいって思ったことがないんだ」
「そうなの?」
「うん。ひまりが初めて。これから喧嘩したり、不安になったりするかもしれないけど。
僕がひまりから離れることは絶対にないから」
「……」
「絶対、なんて言葉。僕は嫌いだよ。約束なんてことも嫌いだ。
それでも、ひまり。君には使わせて。
僕は絶対ひまりから離れない」
「……うん」
「ゆっくりと愛を育んでいこうね」
視界が歪んでいく。
返事が出来なくて、私は頷いた。
ケーは嘘を吐かないから。わかってるよ。ケー。
最初からずっと、ケーは私に本音ばかり話してくれたよね。
だから、私はケーに惹かれたんだと思うんだ。
才能だけじゃない。
ケーの持ってる雰囲気とか、優しさとかが、私には心地よかったんだ。



