永「でね、昨日友達と好きな漢字の話になって」
雨「うん」
永「その子は縁(えにし)が好きって言っててね」
雨「うん、……………ほのかは?何が好きなの?」
永「私はねー、雨が好き」
雨「へー、どうして?」
永「雨の日も好きだし、なんか上手く書けるんだよね」
雨「ほお。……………うん、ちょっと分かるかも」
永「へへっ、でしょ。それでね、好きな字が入ってる人と結婚したらずっと書けるよねって話になってね」
雨「ああ、女の子はたいてい名字変わるもんね」
永「そう!だから、雨がつく人と結婚したいなー、って思ったのね」
雨「うんうん、いいね」
永「……………。でも、周りに雨がつく人ってなかなかいなくて」
雨「うーん……ちょっと珍しいのかな」
永「ねー。秋(しゅう)くんの知り合いにいない?」
雨「俺ぇ?…………………いない、かなぁ」
永「そっかあ。雨……………いないかなー」
雨「どっかにはいるよ」
永「まあね。…………秋くんは好きな字、あるの?」
雨「あるある。俺はね、永遠の永が好き」
永「へえー」
雨「どうせ名字は変わらないんだけどさ、永がつく人と結婚したいな」
永「え……」
雨「永田とか、町永とか」
永「っあ、そう………」
雨「あー、でもやっぱり」
永「ん?」
雨「永井がいいかな」
永「え……?」
雨「名字が永井で、名前がひらがなの子」
永「………っ」
雨「ねえ、永井ほのかさん」
永「……………」
雨「良かったら、俺と━━━━━」