先生と生徒の涙

 最近、沙紀が俺を避けている。俺は何で避けてるのかわからなかった。俺は沙紀の事、好きなのに…、どうして…。俺はふと思い出した。あいつと2回ぐらいはキスしてたけど一度も好きだと言ったことがない。それで沙紀は怒っているのか?
 俺は一晩それを考えていた。翌日も沙紀は俺を避けていた。沙紀だけではない瑠衣もあれから普通に会話をしている。
 あれから2年が経ち等々、卒業式の日になっていた。沙紀は瑠衣と一緒に写真を撮っていた。俺はこのままだとまずいと思い瑠衣を呼んだ。そして……。
「あの時はごめん。そんなに悲しませてるとは思ってなくて、だから今日ははっきり言おうと思う。」
 瑠衣は体が震えていた。でも、言わないとだめだと思い俺は話を続けた。
「俺はお前とは付き合えない。ずっと俺の生徒として見ていた。それを恋愛感情は俺には出来ない。そんな事したら君が辛い思いするだけだ。」
 俺は必死に瑠衣に告げた。すると瑠衣は……、
「はい、わかりました。一生懸命答えを出してくれてありがとうございます。」
 瑠衣は少し言葉は震えていたが納得してくれた。しかも瑠衣は、
「あなたの好きな人、誰だか私は知っていますよ。」
 瑠衣は先生にそう告げた。俺は一瞬、ビクッとなりました。瑠衣が俺の好きな人を知っている。それはしかも生徒…。
「大丈夫ですよ。誰にも言いません。それが誰なのか確認するのもしません。ただ、その人を泣かしたら私は許しません。わかりましたね。」
 瑠衣はそう告げたら俺に背中を向き帰ってしまった。沙紀がどこの高校へ行くのは知らない。でも、俺は見つけてみせると思い高校を探した。
「はあ?離婚!何で!?」
 いきなりお袋から電話が来て親父と離婚すると決めたらしい。俺はこうしてはいられないと思いお袋がいる宮城県まで行った。
 実家に帰ると離婚届が机の上に置いてあった。離婚すると名字も変わりこれからはお袋が1人で暮らす。俺はそんなの心配だと思い、自分は宮城県で暮らそうと思った。
「そんなのいいのに。あんたはあっちでやらなきゃいけないことあるんじゃないの?」
 お袋は俺のこと心配だと言っていた。確かにこれからあいつがいる高校へ行こうと思った。ちゃんと俺の気持ちを伝えるために。でも……。
「そんなのえーんや。お袋が落ち着くまで俺はお袋の側にいる」
 お袋は嬉しすぎて涙を流し俺を抱きしめてきた。俺もお袋を抱きしめた。

 あれから2年。お袋は嬉しそうに笑って亡くなりました。
「お袋、じゃあな。天国でも元気でいてや。俺はこれから愛する人に会いに行ってくる。」
 俺はそう告げ沙紀の場所へ行こうと思った。だけどそう簡単に移動選べないらしい。なので結局、校長先生が決めた高校へ行くことにした。
 俺はその高校へと入り社会の担当をする事になった。そして初日の初めての授業が始まった。でも、俺はまだ初めてなのでまず自己紹介を始めた。皆、明るくて元気な生徒でした。そして次の生徒は…。
「新崎沙紀です。よろしくお願いします」
 俺は一瞬、動揺した。まさか…、沙紀?