「え!?」
 私は思わず大きな声で叫んでしまった。瑠衣に静かにと言われたので口を手で押さえた。私が驚いた理由は瑠衣が本気で先生の事を好きになってしまったからだ。
「マジ!?本当に?」
私は信じられなくてもう一度、瑠衣に確認をした。瑠衣は首をゆっくり上下に振った。
「私…、あの人が来てから一目惚れしてたの」
 瑠衣は恥ずかしそうにそれを私に話した。私は一瞬、戸惑いましたが…、瑠衣は顔を赤くしながら私にお願いを頼んだ。私はそんな姿を放っておけなかった。
「わかった!瑠衣の恋、応援するね」
 瑠衣はとても嬉しそうな顔をしていた。私は少し心配でした。でも、瑠衣が幸せになるなら協力してあげたいと思った。
「じゃあ、まず手紙でも出してみたらラブレターみたいな感じに?」
 私達は先生と瑠衣が繋がるために作戦をたてていました。私はそういうのは詳しくないけど相談をしながらまずは、手紙だと思いました。
「上手く、出来るかな…。」
 瑠衣はとても不安そうな顔をしていました。なので私は……。
「大丈夫だよ!瑠衣、可愛いもん」
 と、励ましてみた。瑠衣は勇気が湧いたみたいで渡す覚悟を決めました。
「じゃあ、渡してくるね。」
「うん、頑張って」
 私は瑠衣の背中を見ながら心の中で強く願いをした。
 30分ぐらいたったとき、瑠衣が帰ってきました。でも、瑠衣はとても暗くなっていた。瑠衣の右手には、あのラブレターを持っていた。
 もしかして………。瑠衣はとても辛そうに帰って行った。
 私は許せないと思い先生のいる場所へ行った。私は強くドアにドンドンと叩きドアを開けた。
「高野先生、いらっしゃいますか?」
 先生はビクッとしてこちらを見ました。
「あの、どうして瑠衣の手紙を受け取らないんですか?」
 私は思わず大きな声で叫んだ。あの瑠衣がとても嬉しそうにしてたのに涙流しながら帰ってきて、そんな姿放っておけない。
「君に何の関係があるんですか?」
「ありますよ。瑠衣は私の大切な友達なんです。瑠衣はあんたの事、好きだったの!でも振られたからあんなに辛そうな顔をして、『今日はもう辛いから帰る』とか言って欠席したんだから」
 私は瑠衣を泣かしたこの人に思いっきり怒りました。すると、その先生がいきなり……。
「じゃあ、お詫びとして…」
「はぁ、?」
 私は意味が分からなかったすると先生が私に近づきお互いの唇が重なった。
「ん……、ぱぁっ」
 この人、私にキスをした。すると、先生はニコリとしながら…。
「はい、完了!」
 そして先生は普通にスタスタと歩いていった。
 最悪、何で私があの人とキスしないといけないんだよ!するなら、瑠衣としろよ。これじゃあ、私が瑠衣を裏切ったみたいじゃない。私はこの事、瑠衣に言わないことにした。
 翌日、瑠衣は学校を休んでいた。これも全部、あの高野のせいだ。あの人の事、考えていたら段々イライラしてきた。
 次は理科の実験なので実験室へ向かった。そして廊下を歩いていると前にふらふらとしている人がいた。私は心配になり、その人の方へ向かった。
「あの、大丈夫ですか?」
 私は声を掛けてその人の顔を見るとビクッとした。あの先生だからだ。私は去ろうとしましたが、どう見ても熱があるみたいなので保健室へ向かった。
 保健室には誰もいなかった。私は先生をベッドに寝かせた。一応、おでこにも冷えピタを貼った。
「どうして、熱があるのに学校へ来るかな~」
 私は思わずため息をついた。すると授業が始まるチャイムが鳴った。私はやばいと思い先生を寝かせたまま、授業へと向かった。