先生と生徒の涙

「沙紀!」
 後ろを振り返ると友達の瑠衣が門の前に立っていた。私は急いで瑠衣の元へ行った。
「おはよう、瑠衣」
「おはよー、沙紀。ねえねえ、見たクラス替え。」
 今日から私達は中学2年生になります。
「うん、見たよ。クラス分かれちゃったね。そういえば、瑠衣の担任って新しい先生だっけ?」
「そうなんだよ。めっちゃ楽しみ」
 瑠衣はとても嬉しそうにしていました。私は2年B組。瑠衣は2年A組。私達はクラス分かれてしまったけどとても仲良しで離れていてもいつも一緒でした。
 そして入学式。校長先生はいつも通り話は長く皆は辛そうな顔をしていた。
 校長先生の会話が終了すると、壇上に見たことのない先生がいた。
「今日から2年A組の担任をする高野先生です。教科は社会」
 私は見るからみて20代の男性。だからこれは、瑠衣も喜ぶだろうと思い少し安心しました。
 入学式が終わると瑠衣は早速、私の元へ来た。
「ねえねえ、めっちゃ格好いいんですけど!」
 瑠衣は予想通りとても喜んでいた。私は元々、男性には興味ないので瑠衣が良ければ良かったと思いました。
 瑠衣はそれから登校の日もお昼休みの時間でも下校時間でもあの人の話をしていた。
「私、もしかして恋しちゃったかも」
 私はその言葉に驚いてしまった。だって…。
「瑠衣…、先生と生徒は駄目だよ!」
 先生と生徒は法律で決まっている。私は思わず、瑠衣にぶつけていた。すると、瑠衣は…。
「大丈夫だよ。冗談だから」
 瑠衣は笑いながら話した。でも、もしその願いが叶ったら瑠衣は幸せに暮らせるのだろうか?
 私はそろそろ教室に戻らないとと思い、私達は教室へ向かった。すると、なぜか楽器がながれている音が聞こえた。
「あっ、高野先生だ…。」
 先生が弾いてるのはギターでした。とても音が綺麗で落ち着く曲でした。すると先生がこちらに気づき先生がこっちおいでと手を振った。瑠衣は早速、先生の所へ行きました。私は遠慮をしましたが瑠衣に腕を引っ張られ連れて込まれた。
「じゃあ、いくよ!3、2、1」
 先生は数えた後、曲を弾いてくれた。先生が弾く曲はとても心が落ち着いて滑らかに弾き、でも何故か切ないという気持ちにもなる。
「先生、とても良い曲でした。」
 瑠衣は必死に手をパチパチをしていた。私は拍手はしませんでしたが…。
「はい、とても落ち着く曲でした。」
 私は先生にそう言って瑠衣と私は教室へ向かいました。