小学1年生の時だっけ?

不意に、あの時のことを思い出した。


―――――――……


「バイバーイ!また明日ねー!」

あの夏の日。
小学校に入学して出会った友だちと近所の公園で遊んでた。

日も暮れ始め、時計は夕方の6時を指している。

みんなと別れて1人になった。

早く帰らなきゃ。
そう思いながら歩いてると、どこからか子供の鳴き声が聞こえてきた。

気になってキョロキョロしながら歩いてた。


あ!いた!


その子は木の下で大声をあげて泣いていた。
4歳くらいの子だったっけ?

そこにはなぜかお父さんらしき人も、お母さんらしき人もいなくて。
ヘンなの。

そんなことを思ってると急に

「ふ...うせっん゙。」

女の子は嗚咽混じりに言いながら、木の枝を指差した。

私もそっちに視線を向けると風船がひっかかっている。

「あ、あれ!お姉ちゃんが取ってきてあげるね!待ってて!」

大して年も変わらないのに、お姉ちゃんぶって。
純粋に、喜ばせてあげたい。って。
ただそれだけで、したこともないのに必死になって気にのぼっていた。


やっと、あとちょっとってところまで来た。

あと30センチ。

あと10センチ。


あ!届く!