親指姫な彼女と普通の俺

今日は帰りが遅くなった
日が暮れるのが早くなり、電灯が
つき始める
海斗と共にいつもの坂を下りる

「なぁ 太陽 やっぱそれおかしくねーか?」

「え?」

腕を組んで眉間にシワを寄せた

「そんな急激に育つのか? 何かの化学兵器とかじゃねーよな」

「ちょ! ちょっとー そんな危ないんじゃないってー 平和なんだ」

「夢まで見るって事は神経に作用するのかもしれん」

真剣にぶつぶつと呟く
捨てるつもりだ
太陽にはわかったので、慌てて止める

「ほんとそんなんじゃないって 花が咲きかけてるんだし 捨てないでよ」

「怪しすぎる 大体買ったそのジジイも怪しすぎる 全てが怪しい 普通に考えても世にも奇妙だろうが」

そうかなぁとつぶやく

「可愛かったけどなおじいちゃん お金への執着が凄まじそうだったけど」

「そこじゃねーよ!!俺らの膝より小さいジジイなんてまずおかしいだろ!!」

「へ?なんで?」

海斗があー!!っと叫んだ
頭をくしゃくしゃとかく

「お前 絶対着目する点おかしいんじゃオタンコナスがぁ!」

「まぁまぁ 何かあったらまた連絡するしさ」

お気楽な親友に不安を覚えながら
海斗は溜め息をついた

「じゃ 俺ここでな まじで爆発しそうとかなったら教えろよ」

「はーい」(花が爆発…?)

海斗は坂を下りると太陽とは反対側へ曲がって行った
太陽はてくてくと歩いて自宅を目指す