幻ー消えない追憶ー




もう嫌だ…。


限界になり、泣きじゃくってその場に座り込む。









「大丈夫。怖くないよ。」


暗闇の中、どこからか誰かの優しい男の人の声が聞こえた。





目を開けるとそこには吸血鬼がいた。

でも、どこか知ってる気がする。
誰だろう。

こんなカッコイイ人知り合いにいたっけなぁ?



吸血鬼さんをじっと見つめて
ふとハッと気づいた。




あれ
もしかしてお兄さんって…



「歩花ちゃんだよね?俺、白倉翔。覚えてる?一緒にゲーセン行った人。」


「あ!覚えてますよ!もちろん!でも…その格好…。」




「これ?どう似合ってる?なかなかだと思うんだけど。一度なってみたかったんだよねー、吸血鬼に。」

くるんと回ってマントを自慢げに見せる。

「自分でなかなかって言っちゃうんですか!?ふふっ面白いですね!翔お兄さんって!!」


「やっと笑った。泣いてると可愛くないぞ?歩花ちゃんは笑ってた方が似合うよ。」






あ、本当だ。お兄さんと話してたらいつの間にか笑顔になってた。