幻ー消えない追憶ー





その姿はとっても一生懸命で
夢みたいに幸せな気持ちになった。




出会って数時間しか経っていないのに
もうこんなに好きが募っている。



神崎くんは手を差し出し、強く目を瞑る。


この人にごめんなさい、なんて無理にでも言えない。




でも、見えない不安が莉乃の心にズッシリとのしかかる。




このまま神崎くんのことを知らずに付き合ったら、どうなってしまうんだろう。




私なんかが彼女になっても良いの?

私のこと、大事にしてくれる?



不安で不安で仕方ない。



「えっと…
こういう時って何を言ったら良いんだろ?

ありがと!嬉しい!


そんな気持ち…です…。」



それが今言える精一杯の言葉だった。

もう顔が火照って、返事どころじゃなくなっている。