陽菜達、突然どうしたんだろ?
急に一緒に帰るなんて、まさか私に秘密で付き合ってないよね?
私は色々な想像を膨らませながらも神崎くんを見た。
すると神崎くんは2人の帰る姿を見届け、よし!と満足のいった表情でこちらを見ていた。
「で。私に何の用でしょうか…?」
恐る恐る尋ねると、
神崎くんは素敵な笑みを浮かべて
「ここじゃなくて、2人になれる所へ行こう?」
と言った。
ドキッ
胸の鼓動が小さく弾む。
2人っきり。
そのフレーズはどんなに莉乃の胸を踊らせたことか。
まるで、クリスマスに貸切で二人きりのメリーゴーランドのようなドキドキだ。