幻ー消えない追憶ー


「莉乃、大丈夫かなぁ?」

自分でしたことに後から少し後悔する。


「大丈夫大丈夫。神崎が上手くリードしてくれるって。多分両想いだから。あいつらは。陽菜だってあいつらの幸せ願ってるでしょ?」


ゆっくり歩幅を踏みしめながらも、私は不安に襲われていた。


「うん。でも、お昼に少し会っただけでそんなに好きになる?」

心配はまだなくならない。


白倉くんが落ち着いて、と言う。



「まぁ、さ、一目惚れとかって理屈じゃないじゃん?2人の恋も、きっと言葉では説明出来ないようなスリリングなものなんだよ。」


高1でここまで分析するか、普通。

と私は半信半疑だった。

「白倉くんって恋愛経験豊富そうだね。」


「いや、豊富っていうほどしてきた訳じゃないけど。人並みにはね。」


"人並みに"

その言葉が余計、豊富そうに聞こえる。





私達は会話に夢中で気づかないうちに、学校から遠ざかっていった。