幻ー消えない追憶ー



教室のドアを開けると
「倒れたんだって?大丈夫!?」と
心配そうに血相を変えて莉乃が飛んで来た。

持つべきは友達だと心から思った。


大丈夫って言いたい所だけど…。
「陽菜って身体弱い方だからねー。どうしたの?何かあった?」

「うん、凄いことがあったよ。」
「えー!何なにー?」
莉乃は興味津々という顔で近づいてきた。

私は慎重に、実は…と間を置いた。


「この高校に日向がいたんだ。」


「えええーー!もしかしてあの不思議系の?」
「…うん。それが…。」

「どうしたのさ!」
莉乃の顔が段々と近づいてくる。
「それが…。」
ズンズン迫り来る。
「それが…?」
莉乃の綺麗な顔があと10cmの所で耐えきれなくなり、負けを認めた。


「……不良になってた。」




莉乃のほっぺたがみるみる膨らんでいく。
もう耐えきれない、という顔でぶっと吹き出し
た。