幻ー消えない追憶ー


───月曜日。


「おはよう!」

朝の眩しい日差しに照らされて、元々茶色い髪がさらに茶色く見える。


「そんなに仲良くなった覚えはないけど?」

日向が不機嫌そうにポケットに手を突っ込んで答える。

ほんの少し前までイラついていたのが嘘のように、この姿までもが愛しく感じる。


ゲーセン効果はあったようだ。


「固いこと言わないでよ〜!あの熱い勝負をした仲じゃない!」


またまた〜と手のひらで日向の肩を押す。


「いって…。どういう仲だよ。あーあウザイウザイ。」

大袈裟に痛がった顔をする。
そんなとこも可愛い。



廊下でそんなやり取りを繰り広げる私達を見て他の生徒が遠くからヒソヒソと噂話を始めた。



後から莉乃に聞いた話によると
「あの2人付き合ってるらしいよ〜」
とか
「ゲームセンターでWデートしてたんだって〜」

などなど。

白倉くんが言っていた通り、根拠のないことばかりだ。
少し前の私なら複雑だけど嬉しいかもしれない。

けど今は違っていた。



簡単にそう言って欲しくない。