幻ー消えない追憶ー


『フルコンボだどん!』


ハァーハァーと息切れしながらも、やりきった達成感を感じた。

安心して後ろを見ると、大勢の観客が集まっていて人だかりが出来ていた。



おおー、と熱い拍手が送られる。

こんなに称賛されるのは初めてで、目から涙がこぼれ落ちた。


「勝っても負けても文句はなしね。」

念を押すように日向に言う。

「ああ、もちろんだ。」

日向の顔は何故か勝ち誇ったような満足げな表情だった。


そしてついに成績発表。

画面に表示されたのは
落ち込んでいる私のキャラクター。

日向のキャラクターは飛び跳ねて喜んでいた。






負けた。

その瞬間ガクッとこれまで何か積み重ねてきたものが崩れた。

悔しい、という言葉が脳裏に駆け巡る。




「ほらな。俺に勝つなんて10年はえーんだよ。」



くそう…

何という屈辱。