「すみません。人違いでした。」





そう言って頭を下げた私にチッ、と小さく舌打ちして、友達らしき人の方へダルそうな足取りで向かった。

ズボンに片方だけ手を突っ込んで歩いてるし、靴を潰して歩いてる。ヤンキーかっ!!!


その
友達らしき人は
「よう、日向。」
と言って手を挙げた。
え。今…日向って…。




「あっあの!」

「なんだよ?」
やはり返ってくるのは素っ気ない態度に冷たい言葉。
日向じゃないって思うけど…。



一応確認しておこう、


短い深呼吸。

「えっと…小学校ってどこだった?」

「…は?」
うわ、いきなり過ぎて引かれたかも。
相手は完全に何だこいつ、と思っている顔だ。


妙にイラついた様子で「北小だけど。」と答えた。

私は一瞬固まってしまった。
だって!だって!



北山小学校通称北小って!私と同じじゃん…。
日向って名字の子は、北山小学校はド田舎にあったから多分1人しかいないはず。
1人というのは、勿論私の知っているあの日向。



ということは…。
今、目の前に立っている人があの優しい日向?