「ご来場の皆様、お集まりいただきありがとうございます。まもなく1年1組生徒による『黒雪姫と七人の小人たち』が始まります。マナーを守ってご鑑賞頂けますよう、誠にお願い申し上げます。それでは、不思議な童話の世界をお楽しみ下さい!」
という2度目のアナウンスと共に幕が開いた。
巻き起こる拍手。
私は、日向がどんな役柄で出てくるのかとても気になりうずうずしていた。
物語は、ナレーションが入り如何にも悪そうな顔をした男の王妃から始まった。
男女逆転と分かっていてもお客さんからは笑いが起こる。
王妃はあの名台詞で鏡に尋ねる。
"この世で1番美しいのは誰?"
鏡は答える。
それはお后様です、と。
満足そうにして日々を送っていたお后様だが、黒雪姫が7歳になった時にまた同じことを鏡に聞くと
それは黒雪姫です、と返ってくる。
そして物語は黒雪姫にスポットを当てて話が進む。
舞台が暗転し、スポットライトが黒雪姫に当たると会場からどよめきの声が聞こえた。
「おい、何だあれ。」
「ただのパロディかと思ってたら本気じゃん!笑」
会場から次々と湧き上がる声。
驚いたのは私もだ。
だってそこに照らされていたのは
なんと綺麗なドレスを着た日向だったから!!
カツラを被っているけど、その整っている顔立ちから学校の生徒は誰でも日向だと分かった。
どうして日向がお姫様役!?
私は何度も何度も目を疑った。

