「日向…?日向なの?」

薄茶で風になびく髪に、黒く透き通った目。
汚れを知らない雪のようなすべすべの白い肌。

──まるで、粉雪。



触れたら溶けそうで。
すぐ壊れる。
きっと私なんかが触れたら、そのもの自体が崩れてしまうのかな。





絶対日向だ。
私は何故か確信を持って、そう思った。


「は?あんた誰。」



期待をよそに、返ってきたのは愛想のない冷たい言葉だった。
私の知っている日向はもっと優しくて、一緒にいるだけで笑顔になれたはず。
日向が言う言葉はすごく暖かくて……。





こんなの日向じゃない。
人違い…?
絶対日向だと思ったんだ。