立ち上がってみると、タカヤは180cmある沼田よりさらに大きかった。
それでも、猫背の背を丸めて、痛い痛いと半泣きになりながらついてくる。



「おめぇ、なんか食えるか?」



ドラッグストアで、消毒薬と絆創膏を買った。
ついでに、カップ麺も3つ買う。


沼田が住んでいるのは、頑丈さだけが取り柄のような、殺風景なマンションだ。
金さえ払えば、住んでいる人間の中味は問わないような、マンション。


玄関で座り込みそうになるタカヤの背中を、容赦なく蹴飛ばした。



先にシャワー浴びてきれいになってこい。
その前に部屋に寝転がって、汚したりしたら承知しねぇぞ。



沼田に恫喝されて、タカヤは悲しげに呻きながら、シャワールームに入っていった。